「方言ではなく言語」 消えゆく島独自の手話、ろう者が研究するわけ
朝日新聞記事2026年3月25日 有料記事につき一部
使い手は日本にわずか15人ほど。そんな消えゆく言語をテーマに据える研究者がいる。
関西学院大学手話言語研究センターの矢野羽衣子(ういこ)客員研究員(45)。瀬戸内海に浮かぶ大島(愛媛県今治市)で使われている「宮窪(みやくぼ)手話」を研究する。
矢野さんは「宮窪手話は方言ではなく、一つの言語」だという。どういうことだろうか。
国内には複数の手話がある。広く使われている日本手話や、日本語の語順にあわせて単語を並べる日本語対応手話が代表的だ。ただ、それ以外にも集落単位で独自に受け継がれてきた手話がある。
大島では、特にろう者が多かった漁港に近い地域で「宮窪手話」が使われてきた。矢野さん自身、ろう者としてその近くで生まれ育った。矢野さんは「起源はわかっていないが、祖父母が使っていたので、少なくとも1920年代ごろには使われていたとみられる」と推定する。